2016-01-01から1年間の記事一覧

そのあとの湿度にゆれる

老いた愛を弔いにいく真夏の湿度に濡れていく なまぬるい血がこそばゆい汗よりも重く涙よりも鈍い海よりもあたたかく雨よりもなじむ 鋭さが痛みと近いのならば言語とも近いのだろうしかし饒舌の豊かさではなくただ湿度があるだけなのだ怠惰に無言を蕩尽して…

Hydrangea, in a windy day

「撮れてしまったもの」に強く惹かれている。突風が吹く中ファインダーをのぞき、よいと思った瞬間に運動神経で数度シャッターを切った。撮れたものをみてみると、たしかに構図自体は意図したものに近いが、多くの部分は裏切られている。とうてい自分が撮っ…

Gaze

The remains of winter

Yawning

Sakura, 2nd April 2016

Magnolia stellata (Hime-kobushi)

Sakura, 29th March 2016

蚕の死骸とただしい眠り

ざわざわと喧しい静寂の その音の粒を解像しようとしたとき肌の下ではるか昔の指の記憶がよみがえってきたので灰色の光とともに揺れる雨露を覗きこみただ風が吹かないことを祈るかつてと書くわたしが現在に生きるためにただしく眠らなくてはならない細い糸を…

Coastland without the sea, Minami-Sanriku

海沿いだったはずの街は土砂の山に囲まれて、まったく海のみえない更地になっていた。土砂に囲まれた土地にぽつぽつと残された建物は時間から暴力的に切り離されているようにみえた。大型のトラックやブルドーザーの列を横目に、海のまったくみえない道を走…

Family portrait for the new year