Coastland without the sea, Minami-Sanriku

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海沿いだったはずの街は土砂の山に囲まれて、まったく海のみえない更地になっていた。土砂に囲まれた土地にぽつぽつと残された建物は時間から暴力的に切り離されているようにみえた。大型のトラックやブルドーザーの列を横目に、海のまったくみえない道を走るのは思った以上にこたえた。その感情に言葉をあてることがいまもできていない。
風化させないことの重要性はわかるが、少しずつ傷が癒えることも重要だ。しかしかつて海沿いだった街では時がとまってしまい、傷の癒し方がわからないままいまも深く途方に暮れているようにみえた。街は自らがどのくらいの傷を負っているのか、あの日からずっとはかりかねているのだ。これから何十年もかけてこの風景に言葉を与えようと試み、そしてその試みに敗北しつづけながら時計の針を少しでも進めようと努力することが、わたしたちのせめてもの償いであり弔いとなるのだろう。