LETTERS

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郵便受けはとても無防備だ。ただ開かれていて、宛先のある言葉も宛先のない言葉も無差別に投函される。いまは特定の人へ宛てられた手紙が投函されることはめったになく、宛先だけ違う同じ言葉の書かれたチラシばかりが入るのだろう。
待っていないのに結果的に待つことになるものの運命を思う。かなしい娼婦のようだなと思いながら廃屋の郵便受けを撮った。普段は同じものを同じように何度も撮ることはないけれど、このときはよくわからないまま数枚撮った。帰ってからみてみるとどの角度で撮ったものもぎこちなく、やはりしっくりこなかった。