Memory trace (tactile)

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柔らかい枝の影は触覚的なので、視覚的な記憶ではなく感触の記憶を直接よみがえらせてくれる。人の肌を指でたどるときにすべての指がうまく自律して動き出すと、各々の指が捉える感覚それぞれではなく、状況全体の感覚としかいえないものが身体を浮揚させるのがわかる。その感覚の周辺でことばを費やすことはできても、最終的に「これ」としかいえない感覚。語っても語ってもことばが届かないものが、過不足なく再現されて足元に転がっているように思えることもある。