存在しないことによってみえてしまうものもあるし、存在しているとしてもみえなくなるものもある。3つならんだ赤いくちびるの安定感をみたときにくちびるは存在することをやめてしまったが、かといって3つならんだ目の不在もたいしたものではなかった。そ…
右脚と左脚の長さが合わなくなってしまったので、ああわたしはいまから転倒するのだと思った。膝が折れてぐらりと揺れて、右に傾ぐ身体を傾ぐままにして力を抜くときに、わたしはうつくしい光に目を貫かれたわたし自身の顔をみていたのだった。その顔をみて…
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