Possession

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右脚と左脚の長さが合わなくなってしまったので、ああわたしはいまから転倒するのだと思った。膝が折れてぐらりと揺れて、右に傾ぐ身体を傾ぐままにして力を抜くときに、わたしはうつくしい光に目を貫かれたわたし自身の顔をみていたのだった。その顔をみてはじめてとてもかなしい思いで歩いていたことを思い出した。この光はわたしのものだと思った。だからもうしっかりとみる必要はなかった。