An abandoned house

My goldfish and me

Walk

Bonbon

わたしの鋭利な空洞であったはずの割れたガラスの側面のようにざらりとした飴玉 ばらばらと打ち込まれた五月の雨のなかに醜くなめらかに溶けているのを舌にのせなかったのはそれがなかったからそのときに砂糖の砂のじゃりじゃりとした音をこめかみに聞く食べ…

Shower

A la manière de Mark Rothko

Living in a memory that never exists

Blue

Shinjuku Station

Rainy days in April

雨の夜がつづいた。ざわざわとした雨の気配がそのうちはっきりとした雨粒の音となって屋根を穿つ音をききながら、なぜ穿つ(うがつ)と穿く(はく)は同じ漢字をあてられているのだろうと考えた。雨がこつこつと地道に屋根を打ちつづけてできた穴に薄いスト…

Tired of correction

そうじゃないの、ということがどういうことなのかわからなくなってしまったのでそうなの、ということにしていたけれどそれはそうじゃないの、でもあるそんなことはどうでもいい、というときのどうでもいいというのはどちらでもおなじといういみではなくてど…

Flapping wings

Bugs

Dragon

Calm colours in days of depression

The Voyage Out

Sakura (weeping)

Blue

Sakura

Diaphanous leaves

Spring colors

Tangle

Climbing a ladder

Trace your eyelids with careful fingers

As girls go

耳の欠けたうさぎのキーホルダーにめっきの剝がれた鈴の音金具の壊れたリボンのバレッタくすんだ金属の腕時計はとまってむかしむかし鉛筆にかぶせたプラスチックのキャップの大きなひびにあなたは幼い少女をみる 指先にぐっと力をいれて鉛筆のキャップをぎり…

Out of focus (scene of suicide)

たしかに存在することを目の端にとらえながらけっして焦点を絞ってはならないぼやけた色や光や輪郭からさまざまなイメージがまざりあってとけていくさまがみたものの鋭い切っ先とはまるでちがってあまりに甘美で耐えがたいのでいっそかなしみとよんでいたも…

Score

For my mother's birthday

Unread

この写真は一ヶ月ほどまえの雪の日に撮った。数日前にこの郵便受けの横を通ったとき、同じ角度で同じ封筒が入ったままになっているのを目撃した。ぬれた紙がじわじわと乾いた痕跡が細かい皺のように刻まれていた。レトリックとして「雪解け」という言葉はし…

ある人に対して真面目に向き合うときに、わたしたちは彼/彼女のこれまでの物語に向き合い、場合によっては深く寄り添ったり愛したりする。わたしは喜怒哀楽には(怒りを除き)富んでいるほうだという自覚はあるけれど、特に感情的な人間でも熱血漢でもない…